女神記

桐生夏生の女神記を読んだ．

なんて言うか，印象に残らない本だった．
っていうか，題材が記紀神話なので目新しさがなかった．
主人公の生い立ちの土台になっている風習も，どっかでありそうなかんじ．
そういえばLabの休憩室にあった漫画と内容がちょっと似てたなぁ．

イザナギの行動がちょっと意外だったのだけ評価する．
 

ダヴィンチコード

ダヴィンチコードを読了．

ラストは良い感じだけど，途中の２点が不可解．

1つ目：なんで導師，いきなり無意味な身バレしてんの？
2つ目：クリプテックスを開けるのにキーワードは必ずしも必要とは言えないんじゃない？　金やすりや旋盤を使ってみるとか．

2つ目の方はいいとしても，１つ目の身バレはやっぱり解せない．「理由は分からないけど誘拐犯から解放された」とか言って何食わぬ顔して主人公達のもとに戻れば，謎解きの最後までついていけたはず．謎をとき終えて秘密を知ってしまいさえすれば，あとは公表するなり金策交渉カードにするなり，どうとでも出来た．主人公に銃を突き付けながら「君の家族を殺したのは私だよ」って宣言しておきながら仲間になれって誘いかけるのは正気の沙汰とは思えない．

．．．私，何かを読み逃したのかしら．

ユージニア

恩田陸のユージニアを読了．

感想：結局犯人誰だったのぉぉおお！！　電話かけてきた潮騒の女って誰ぇぇ！
あと，犯行現場に残ってたメモ（どう見ても恋文）がどういう経緯でテーブルに乗ったのかも分らない．

「真実は闇の中．証言は一致しない」がテーマならこの小説はとても上手い．
ヒントは沢山あるのにそのヒントを繋げる接着剤がない．決定打がない．
読み進めるにつれ真綿でジワジワ虚飾の首を縛っていったのに，最後の最後で綿がちぎれてしまうのだ．

モヤモヤ感は残るけど複数回読めばなんとか解釈を思いつくのかもしれない．
とりあえず面白かったのは確か．
友達と同時に読めば色々解釈し合えて更に面白い作品だと思う．

あと，恩田陸の文章は読みやすい．


P.S.
ユートピアを夢見て滅びるのは山椒魚戦争(カレル・チャペック)を思い出させるなぁ．

冷静と情熱のあいだ

映画化されてて納得．
一気に読める恋愛小説だった．

でも，綺麗に掛かれてるけど相手にとっては単なる旅先での浮気じゃない？
やっぱり浮気は文化なのかしら（笑）

ネクロポリス

恩田陸の「ネクロポリス」を読んだ．

以前から時々耳にする作者だったから気になっていたし，タイトルにも惹かれた．
（本を手に取ったときは意識しなかったけど，ネクロポリスってエジプトの西岸ですよね）

文章は読みやすいし，世界観も面白くてサクサク読み進んだけど，最後の終わり方はいただけない．
サスペンスならサスペンスらしく，特殊な前提条件は固持してもらいたかった．

Web上での他の人の感想を見るに，読後感を期待できる作者じゃないのかもしれないけど「異空間を楽しむ」という意味での読書には適してると言えるんじゃないかな．

吐気

サルトルの「嘔吐」を読んだ．

途中で挫折する人も多いらしいですが，仏教的な無について考えた事がある人ならそんなに苦労せず読めると思う．

 

以降若干ネタバレな感想 

 

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ジェイン・エア

ジェイン・エア（岩波文庫）　を読みました．

お金のあるなしでハッキリ身分が違ってくるんだって雰囲気が全体から漂ってきます．
当時（イギリスで工業が始まったあたりの時期）の家庭教師は召使扱いだそうですよ．

最後の方は少しありえない展開で，そこまでかなり現実的だった分残念ですが，ご都合主義って言うほどでもないです．

主人公ちゃんは最終的に資産と血縁者と家族を得て幸せになります．資産と血縁者については主人公ちゃんの努力で得た物ではありませんけど，これも一応のサクセスストーリーなんだろうなぁ．