べっこう飴の嘴

背中が痛くて目が覚めた。

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べっこう飴細工の鳥を捕まえた。生まれたての雛のような姿は醜いけれど、羽毛をちぎって食べると綿飴みたいに甘かった。細工が細かくて細いので、手の中で簡単にひねり殺せそうだった。
あんまり華奢なんで食べるのが可哀想になり、野に放してやった。
でも、地面に置いて手を放しても飛んでいかない。
私は羽毛と一緒に風切り羽も食べてしまったらしい。
どうしようかと思案に暮れていると、巨大な鷹が５ｍ程離れた木の上からべっこう飴鳥を狙っているのを見つけた。
さすがに鷹にこの甘い鳥を渡すつもりにはなれなかったので、いったん放したこの鳥をもう一度捕まえて背中に庇いつつ鷹に対峙した。
この鷹がまた以上に強そうだった。ちょっと怖い。
とはいえべっこう飴鳥を守るためには仕方ないので睨み合いを覚悟した。
これは長い戦いになりそうだ。


と思ったら後ろから思いっきり背中を食い破られた。
もちろんべっこう飴鳥から。
そりゃまぁ君から見れば私なんて、風切り羽を食いちぎった憎い敵でしょうよ。
そんな敵の手の中にいるんだから、おびえた犬みたいに攻撃的になるのも分かりますよ。
でもね、背中を食い破る程に嘴の力が強かったなんて、聞いてないよ！
私が庇う必要なかったんじゃ。
気分は仲間に裏切られた軍人です。

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夢の中であれほどリアルに痛みを感じたのは初めてです。